2030年に運用資産額5億円到達を目標にしている”あきひろ”です。
株式投資をするにあたり、日々経済ニュースを見ることが日課になりましたが
そもそもニュースの内容がよく理解できない、って事がよくありました。
歴史や過去の様々な事件、そういう事が現代史に脈々と影響し、今の経済活動の礎となっている事が理解できると、そういった教養を身に付ける事が回り回って株式投資にも大いに役に立ってきます。
お金を増やす事で豊かな人生の一助とする方針はもちろん変わりませんが、例え直接株式投資に関係は無くても、ただ純粋に、教養を身に付ける事というのは物事の深い理解を助けて、人生そのものを味わい深くして豊かな人生を送るものに成り得ます。
本記事では、「米中貿易戦争」についてまとめてみました。
第1章では貿易戦争の始まりから激化していく流れを一通り説明しました。背景には中国に対する不満があり、お互いが引かずに「関税戦争」に突入、さらにはファーウェイの締め出し、ナンバー2の逮捕、そんな様子をお伝えしました。
第2章ではGAFAに対するBATH、内需だけでも14億人という巨大な経済マーケットをほぼ独占状態にしている現在の中国。そして明確に打ち出し、着々と準備を進める国家戦略、一方で若干の足元にぐらつきを見せるアメリカ。そんな様子を説明しました。
この最終章では、中国の国力を裏付けるがごとき凄まじい共産党の体制や、さらに完璧なものにするために張り巡らされた仕組みの数々、それに対してぐらつきを見せるのは何もトランプ大統領だけでなくアメリカという国もそうであること、それらを解説していきたいと思います。
Contents
凄まじい独裁体制の『中国共産党』
事実上の一党独裁「中国共産党」
さぁ習近平の率いる中国です。どういう国なんでしょうか。やっぱりものすごいですよ、この国は。
よく「中国共産党による一党独裁」みたいに言われますよね。実は他の党も一応あるんです。それはなぜかというと「独裁独裁」って言われたくないからです(笑)
だから他の党も一応あるんですけど、そもそも法律の一番最初に、「共産党に従う」っていきなり書いてあるんですね(笑)
中国の中に中国共産党があるんじゃなくて、中国共産党の中に中国があると思った方が近いですね。
独裁国家って建前でも選挙は一応やりつつ、でも監視する、とか一応体裁整えたりすると思うんですが、実際はガチガチの独裁国家なんですね。それも共産党という一党独裁なんですね。その国がどれくらいすごいのかって事ですよ。
恐るべき中国共産党ヒエラルキー
14億人の国民がいる事はご存知の通りですが、その中で共産党員は8260万人います。
全体の6%くらいですね。「選ばれし民」なんですね。14億人に対して8260万人、人口1億4000万くらいの日本人の感覚から言うと多い気がしますが、なんせ14億人いるわけですから、「選ばれし民」なわけです。「共産党員になる」というのはすごい権力なんですね。
さてこの共産党員8260万人の中でも、『党大会代表』というのが2270人、
スーパーエリートです。この党大会の代表になるという事が物凄い事です。なんつっても8260万人中2270人ですからね。もうすごいわけです。でもこの人たちが集まる党大会、その大会がどれくらいの頻度で行われるかと言ったら、「5年に1回」ほぼ行われないません(笑)。
そしてその中から選ばれし幹部候補『中央委員』370人。
中央委員も集まるのは「1年に1回」くらいです。ほぼ会いません。
さらにその中から25人、人口14億人のうちの25人!この25人が『政治局委員』、
スーパー幹部ですね。
この25人のスーパー幹部が会うのが、「月に1回」。
その中から、選びに選ばれた7人の『常務委員』
これが「毎週」会議を行います。
凄まじい権力「チャイナセブン」
そう、つまり人口14億人の命運は全てこの7人で決めているんです。この7人を“チャイナセブン”と言うらしいんです。(神セブンじゃねぇんだから。)
そしてこの神セブン、いやチャイナセブンの中のナンバー1、それが習近平なんですね。
中国における意思決定は、ほぼこの7人の多数決で決めるらしいです。多数決で決められる様に奇数なんですね。
因みにこの『総書記』というポジション。この総書記というポジションが共産党の中のトップでして、そしてそれが国家主席を務めている、それが今の中国の国家体制です。
もう今や習近平は凄まじく強い権力を持っています。しかもその権力は5Gの時代でさらに拡大します。
もう準備万端。5Gで全てを掌握する中国のトップ
今でも凄まじい権力を誇っていますが、この度の5Gによって完璧になります。
決済サービスによる「信用ポイント性」で国民を牛耳る
今や中国は世界きってのハイテク国家です。最近では日本でも訪日中国人向けにインフラが整えられまして、もう珍しくもなくなりましたが、「アリペイ」や「WechatPay」と言ったキャッシュレスの決済サービスがあります。私もよく中国出張に行きますが、もう凄まじい普及具合です。
思えばいつからくらいだったかな?2012年とか13年くらいの時にはまだそんなに見なかった気がしますが、普及するスピード感も尋常じゃなくて、本当に言葉通り「あっ」という間でしたね。田舎の方に行って路上で軽トラの荷台で果物売ってるおっちゃんですらQRコード決済ですからね。
で、その決済サービス、恐ろしいシステムと紐づいています。
ちゃんと利用しているのか?
それにちゃんと個人情報を全部登録しているのか?
そういった事が管理されていて、「信用ポイント」なるものが貯まる(もしくは減る)仕組みになっています。
個人の信用を測る評価システム
人生がポイント性になるんです。
こんな感じですけど、ポイントがあれば生活の中で結構いろんなものが優遇されるらしいです。
ポイントが高い国民は、例えば住居を借りる時に敷金礼金がいらなくなるとか、融資額が変わったりとか、結構いろんな優遇があるらしいです。ポイントが高い人だけが入れる場所もあったりとかね。
だから逆にポイントが低い大変です。
そんな事もあるらしいですよ。
既にこの様な仕組みが動いています。しかも、共産党に対して好意的な動きをすればポイントは高くなるし、逆に言えば、どれだけちゃんとしてても共産党に歯向かうような運動に参加したりすると、ポイントが無くなっちゃったりします。
よかった、、、日本人で。。
逃げ場がない!中国全土を覆い尽くす監視カメラ
しかも一度ポイントを無くしたら逃げることもできない。なぜか?
「顔認証」があるからです。中国の国民は現在2000万台の防犯カメラで常時監視されています。しかもそのカメラはただの防犯カメラではなく、BATHの技術があります。
顔認証の精度も半端ないです。
こうして、すぐ見つかっちゃうんです。
こんな風に全ての行動が見られています。この中国のこの大きい国土のどこだろうと関係ありません。凄まじい数のカメラと凄まじい技術を駆使して国民全員をランキング付しています。
しかもそのランキング付と一緒に全ての情報を吸い上げてコントロールし、少しでも歯向かえば相応のペナルティが待っています。
これが今の中国の監視社会だと言われています。
スーパーピラミッド、そしてスーパーテクノロジーでスーパー独裁国家を作り上げているわけです。
任期も伸ばして延命処置完了、そして「首席復活」への道筋
アメリカの大統領の任期の話もしましたが、トランプ大統領は選挙で交代するかもしれないですよね。任期もマックスで8年間です。
習近平はどうか?ここが凄いところなんですけど、既に任期はいくらでも延長できる法律に変えてあるんです。用意周到っていうか、したたかですよね。
チャイナセブンの多数決で色々と決めると言いましたよね。もしこの中でアンチ習近平の人間が半数以上いたら立場やばいですよね。ところが、全員仲間なんですね。
こうして強化に強化を重ねて、習近平は一体何がしたいのか。
「共産党首席復活化」
これです。
どういう意味かって言いますと、先ほど共産党の総書記がナンバー1と書きました。でも「総書記」がナンバー1って考えてみたらよくわからないですね。「書記」ですからね。
書記ですよ!?
ですが、この「書記がトップ」って文化、社会主義圏ではある事みたいです。しかもソ連がモデルです。
例えば、「ゴルバチョフ書記長」書記長で一番上ですよね。これってスターリンの時にできたみたいです。
レーニンが支配してた時代、スターリンが書記長だったんですね。書記長ってそのポジションの性質的にいろんな情報が集まってくるんですね。それでスターリンが書記長のまま全てを牛耳ったから「書記長がトップ」ていうのが社会主義国家の中で一つのルールになったみたいです。
でもその昔はその書記長の一つ上があったみたいで、このチャイナセブンにも一つ上のポジションがあったんです。それが「共産党首席」というポジションで、かの毛沢東がその座についていたんです。
ただその場合一人に権力が集中しすぎて危険です。7人の多数決ですらなく、この首席が決めたらそれが全てなので、結構大失敗もしたと言われています。
『文化大革命』とか『大躍進政策』とか、後に大失敗したと言われる政策をいろいろやらかしてるので、ワントップは危ないよね、ということになりました。それを受けて、共産党首席を無くして、チャイナセブンと総書記というチームづくりにしたらしいです。
ところが、中国人民解放軍がある時、習近平のことを『首席』と呼んだそうです。習近平は国家主席ではあるんですけど、この人民解放軍は国の軍隊ではなくて中国共産党の党軍なので習近平に対して「国家主席」という呼び方はしません。人民解放軍は共産党の中の呼び方をするので「首長」とかそういう呼び方をしていたらしいんですけど、急に習近平のことを首席と読んでいる、という情報が出回ったんです。
もしかしたら共産党首席も復活するかもしれない。つまり習近平は毛沢東以来の共産党ナンバー1になる事を狙っているんじゃないか。全てはそのために今整いつつある。そう、中国史上最強の皇帝になろうとしているんです。
グラグラなアメリカ
堅牢強固なピラミッドを作った習近平に対して、足元が微妙にぐらついているトランプ大統領。ぐらついているのはトランプ大統領だけじゃなくてアメリカもです。
「分断のアメリカ」
今アメリカは、上下左右に分断されている、「分断のアメリカ」と言われています。
どういう意味かというと、上下は貧富の差です。アメリカは今、貧富の差がどんどん激しくなっています。貧しい人たちに向けて都合の良い政治を行ったトランプ大統領は一気に上がりました。
それまでお金持ち層に支持されていたヒラリーが負けました。その貧富の差がアメリカの変化の一つです。
一方、左右の差というのは、「アメリカファースト」の思想か、「いやいやグローバルリーダー」か、この分裂も大きくなっています。ちょうど中間層にいた人たちも今はどんどんいなくなって、右と左でかなり過激に別れています。
上下左右に分断された一つではないアメリカ
VS
完全な恐怖の元、ガチガチの最強ピラミッド作っている中国
「分断のアメリカ」VS「独裁の中国」
この対決です。
この争いはある意味人類の宿命、これが人の争いというもの
ところで、この様な現象に対して一部の知識人の間では「トゥキュディデスの罠」という言葉が用いられています。トゥキュディデスというのは古代ギリシャの歴史家で、彼が唱えた説です。
その昔「スパルタ」と呼ばれる最強国がありました。それに対して「アテネ」という新興国が追随して戦争が始まった時からこれが言われています。
かつて覇権を持った国と次に覇権を持ちそうな国は、仲良くする事はなくて、その二つの国は必ず衝突する運命にあるっていう言葉なんですね。
旧ナンバーワンと新ナンバーワンが、仲良く引き継ぎを完了させることは決してなく、必ずぶつかる。旧ナンバーワンは何をしてでも新ナンバーワンを潰しに行くし、新ナンバーワンは何をしてでも旧ナンバーワンを押さえにかかる。
まぁよくある事ですよね。一国の争いとまで言わなくても、会社であれば派閥争いとか、新たに管理職に就く人間とそれまで管理職をやっていた者との間でのスタンスの違いとか、変な話、嫁姑の争いもそうですね(笑)
ともあれ、この米中貿易戦争は起こるべくして起こっている時代の変わり目、なのかもしれませんね。
まとめ:この戦いの終着点はどこに?
今、世界の話題の大きな中心となっている米中貿易戦争。幕開けから関税戦争への発展、ファーウェイ締め出しからナンバー2の逮捕、そしてこれが力を持ってきた国に対するアメリカの典型的な力の行使の仕方である、そういう事に始まり、そこまでアメリカが警戒する中国という国が現在どういう状態なのか、そこを深掘りしていくと、スマホ売ろうか売らないか、とかそういうレベルの話ではない、という事がよくわかりました。
これは、「かつての最強国」VS「これから覇権を握るかもしれない時期強国」、この大決戦の幕開けかもしれない、という話なんです。
本当にこのこの先どうなるのか、わからないですね?
これは物凄い注目じゃないですかね?
例えばこの記事を執筆している時点では、お互い歩み寄る姿勢が示されている様な報道もあり、米国株価も最高値を更新し続けています。どちらかというと何となく落ち着いている雰囲気もありますが、やっぱり来年は大統領選挙がありますので、トランプ大統領としても極力今の段階で波風立てたくはない、そんな感じがあると思います。
でも、この内容を見る限り、最終的にどちらかが倒れるまで、っていうか、アメリカとしては中国が倒れるまでは手を緩めない様な感じがしますね。何となくフェードアウトっていう収束もなさそうですし。いずれにしても世界のパワーバランスが大きく変わる、それだけは言えますね。
どんな仕事に従事していようが、世界レベルに発展しているこの戦いの影響は少なからず受ける事になり、我々の生活にも大きな変化があるのは間違いありません。どちらがどうなろうが、この戦いの行末は見ていく事で、その先、個人としても組織としても取るべき行動が変わるはずです。
当然投資家としては、絶対に注目していなければいけない内容ですね。
私は注目します。
ではまた。