仕事

書籍購読|〜『業務改革の教科書』編〜

あきひろです。

こんな時勢で業務がテレワーク主体になった事で、通常の業務が若干マイルドになり、自己啓発が業務にプラスアルファされました。

元々読書が好きですが、この流れで課題図書の購読を行いましたので、備忘録として内容の要約と自身の解釈を書き留め、同じ図書を購読する方へも何らかの参考となりましたら幸いです。

今回購読したのは以下の書籍です。

『業務改革の教科書--成功率9割のプロが教える全ノウハウ』

本書の要約

内容要旨は以下となります。

本書は日系コンサルティング会社であるケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社のディレクター白川克氏及びアソシエイト・ディレクター榊巻亮氏によって書かれた、業務改革にまつわるプロジェクトを推進させる際に、立ち上げ段階から運営に至るまでのプロセスにおいて重点を置くべきポイントを実際のコンサルティング現場で活用された方法論やエピソードを用いて詳細に噛み砕かれている書籍で、わかりやすく各プロセスをステージ毎に階層分けし解説がなされています。

とりわけ、プロジェクト発足から実行局面に至る承認までのプロセスに重点をおいて解説がなされています。

同社のコンサルティングの顧客には、日野自動車、花王、JA共済、オムロン、三井製糖、因幡電機産業などがあります。

『4つのP』という体系

業務改革プロジェクトの発足にあたって、準備しておく必要のある概念が、以下の『4つのP』という体系で整理されています。

  1. 【Purpose】ー 目的を定める事。業務改革においては走り出し当初にゴールが明確になっていることの方が少ないため、特にこの点における共通認識は重要。
  2. 【Process】ー 上記の目的を完遂させる上で段階的に講じる施策と進め方がこれにあたる。
  3. 【Property】ー プロジェクト実行に必要な設備・システムなどの手段
  4. 【People】ー どういったメンバーで実行するか。メンバーによって行き先はある程度決まってくるとも言える。

「どこに・どうやって・何を用いて・誰と」プロジェクトを遂行していくかを考えると自ずとこの概念を踏襲する事となりますね。

『4つの階層』

全書に至る解説はこの『4P』を明らかにする事に集約されており、そのための具体的なフェーズをさらに以下の『4つの階層』で具体例を用いて説明がなされています。

  1. 『Concept Framing』ー コンセプトを固める。暗中模索な中でも、最終的に目指すべきゴールを見通す段階。
  2. 『Assessment』ー 現状把握。環境や業務のあり方を徹底調査し問題点を事実に基づいて洗い出す。
  3. 『Business Model』ー 取り組むべき施策を具体的に検討に入る。
  4. 『Decision』ー 実行に値するかの投資判断を行う。

本書購読後の私見

率直にですが、当書で述べられている事に関し、「これは!」と言うような斬新な事はなく、ある種当然の事が書かれているなと感じました。

確認・ガイドとして活用すると良いかも

自分で言うのも微妙ですが、結局のところ普段やっていることや考えていることを再確認したような感覚で、そういう意味では有意義であったと感じています。

そもそも何から手をつけて良いかわからない状態であれば良いガイドとなると思います。その上で、行き詰まりかけたら振り返るように活用するのが良いと考えています。

その一方で、 ただ、「わかっている」「知っている」という事と「出来る」のとでは随分と違いますので、その点に関しては謙虚に受け止めたいと思います。

読み応えがあり、随所に具体例が細かく示されています。

私自身は、一回読み通すだけでは中身を理解するのが精一杯で、実際に事を進めながら要点を必要に応じて振り返るのが良い活用方法だと考えているので、上記の『要約』においては、以後自身が振り返る際の道筋となるようにしています。

少しネタバレですが、当初で書かれている『プロジェクトは最初が肝心である』とか『自分の仕事がなくなるつもりで向き合う』という部分は大きく刺ささりましたね。

この点については「正にその通りだな」という深い共感がある一方、突き詰めれば突き詰めるほどに考えさせられたのは、「『業務改革のプロジェクト』それって何なのだ?」という事です。

何事においても大切な『毎日コツコツ』

そもそも、仕事に限らず何事も「常に良くしよう」という心持ちで物事に対峙すれば、『創意工夫』『改善改良』は自ずと行うもので、ほんの僅かでも昨日より今日何か一つ前進させようと、100を101にする。

そういった愚直な思いを積み重ね、その結果振り返ると100だったものは200になっており、次の300に向けて、また毎日コツコツと、というのが理想的な姿だというよりも、本来は「それ以外無い」くらい考えており、読了した今でもそれは変わっていません。

それを一足飛びに「100を200にしよう」というのであれば、様々な無理が生じ返って当然だなという風にも思いました。

『裏技探し』は結局遠回りかもね

そもそも毎日コツコツ積み上げていれば良かったものを、それを怠った結果としての「改革プロジェクトの必要性」であれば、そういったプロジェクトの必要性に迫られた企業や部門の中には、真の要因として「毎日コツコツ」を軽視してきた、あるいは怠ってきた事実が見えない根底として一定数内在しているのではないかと感じています。

会社の中枢システムの新設や、何か特殊な事情で急遽大きな改革の必要性が生じた場合であれば、『改革プロジェクト』も必要かと思いますが、それ以前に「毎日コツコツ」を横において裏技探しを行う意図であれば、どうしても「先にやるべき事があるはず」と感じてしまいます。

『工夫と改善』こそが仕事というのでは?

私自身は、そもそも業務の改善というものが非常に大好きです。

どんな仕事も、より短い時間でより間違いが起こらないようにするための工夫を凝らせば、捻出できた時間を新しいことに当てる事ができます。何なら、業務ごと他の誰かに移管させる事が可能になります。

一連の定型業務と化した仕事は、思考停止で出来ますので、そもそもそういうものを仕事と考えていない、とも言えます。

そう考えると私にとっては「工夫・改善」こそが仕事だと考えています。

ただ決まった事を淡々とこなすより、常に頭を使っている感覚が心地よいです。

そんな事で日々、「毎日コツコツ」そういう小さな工夫と改善を繰り返してきた事で、私の所属している部署は少し前に比べると飛躍的に業務効率が上がりました。

当然、まだまだ改善の余地がありますので、これからも継続し「毎日コツコツ」を行っていく大切さを本書を通じて確かめた次第です。

それではまた。