2030年に運用資産額5億円到達を目標にしている”あきひろ”です。
株式投資をするにあたり、日々経済ニュースを見ることが日課になりましたが
そもそもニュースの内容がよく理解できない、って事がよくありました。
歴史や過去の様々な事件、そういう事が現代史に脈々と影響し、今の経済活動の礎となっている事が理解できると、そういった教養を身に付ける事が回り回って株式投資にも大いに役に立ってきます。
お金を増やす事で豊かな人生の一助とする方針はもちろん変わりませんが、例え直接株式投資に関係は無くても、ただ純粋に、教養を身に付ける事というのは物事の深い理解を助けて、人生そのものを味わい深くして豊かな人生を送るものに成り得ます。
本記事では、「米中貿易戦争」についてまとめてみました。
第1章では貿易戦争の始まりから激化していく流れを一通り説明しました。アメリカが実は持っていた中国に対する不満、それにより発動した関税、さらに応戦する中国の関税返しによる「関税戦争」。安全保障上の問題を持ち出してファーウェイに対する締め出しを行い、さらにはナンバー2の逮捕、そうやって激化していく様子をお伝えしました。
今回、第2章では、そんなアメリカが警戒している中国は現在超ハイテク国家となって驚異的な国力をつけている実情、そしてそれを武器に世界を取りに行く国家目標を掲げ始めている様子に加えて、対するアメリカ・トランプ政権が直面している課題をまとめていきたいと思います。
Contents
これぞ世界2位の経済大国:現在の中国
冒頭でも言いました。現在の中国、そんなに本気で潰しにかからないといけないぐらいヤバイ国なのか?という事なんですが、現在の中国、説明したいと思います。
GAFA?こっちにはBATHがいるんだぜ
まずGoogle・Amazon・Facebook・Apple、それぞれの頭文字を取った「GAFA」というアメリカを代表するハイテク巨大企業群。時価総額も1兆ドル行くか行かないかの規模です。ここ数年で株価も爆上がりしています。
一方中国に於いても、これらに対抗するようなスーパーハイテク企業が育っています。それがGAFAに対して「BATH」(バース)と言われています。
(BATH以外にも他の言い方があったり、違う企業を入れたりとか色々ありますが、ここではBATHと呼ぶようにします。)
このBATHとは、バイドゥ・アリババ・テンセント・ファーウェイ
まさに、
検索エンジンではGoogleに対してバイドゥ
小売ECサイトAmazonに対してアリババ
SNSではFACEBOOKに対してWeChat(テンセント)
スマホではAppleに対してファーウェイ
バイドゥ・アリババ・テンセント・ファーウェイ
本当に同じようなサービスをやる同じくらい力を持った企業を作っているわけですね。このGAFAの4企業に対して同じように4企業作っています。
ところで、ちょっと前はBATって言われてましたね。ここ最近ファーウェイが加わったんでしょうね。
バックには政府(共産党)、そして世界20%の人口を掌握
「GAFA vs BATH」、この対決が行われていますが、実は企業同士だけの戦いではないんです。中国の場合、この企業たちの後ろで政府がバックアップしているところがトランプ大統領は気に入らないみたいです。
要するに、政府と企業は別、政府は政府、企業は企業、それがアメリカの考える自由な経済、民主主義経済・資本主義経済なのですが、中国はそうじゃない。中国はこのBATHを後ろからガッチリバックアップして、しっかりコントロールしています。
そもそも、アメリカ企業の技術や、ビジネスのやり方を国家ぐるみでパクって同じような企業を作り、国民14億人を囲い込んで独占する。こういうやり方はどうなんだ!?という事なんですね。
なんと言っても中国の最大の武器はその人口、14億人ですからね。世界の人口が80億人弱ですから、ざっと20%弱が中国人です。中国人全員抑えれば、世界シェア20%を取ってるようなもんです。だから海外に売る必要はないんです。国内にだけ集中すれば自動的に世界が取れる。そんな国ですから、こういうやり方を行っているんですね。
他所からパクって、他所に売らなくていいんです。
このように14億人というパワーを温め、外から盗み、中に売る、そして中で育ったものは外には出さない。
こういう一方的なやり方はどうなんだ!?というのがアメリカの怒りです。
国家目標「中国製造2025」
そしてそれにさらに火をつけるような目標を習近平が打ち出しました。
それが「中国製造2025」
まさにアメリカがこれまでやってきた事ですね。「その国になります。」という事です。
ドイツに於いても「インダストリー4.0」という目標を掲げまして。
という事ですが、その目標を丸々パクったとも言われています。
中国版「インダストリー4.0」を習近平は打ち出したわけです。
という事ですね。
新たなるシルクロード『一帯一路』
「中国製造20205」明確な経済目標を掲げた。じゃあ次はどこを取ろうか?どのエリアを牛耳るかって事です。それが『一帯一路』ですね。
これはどういう事か?これは「新たなるシルクロード構想」なんです。シルクロードというのは昔の中国と地中海国家との間の長い交易路の事ですよね。それの現代版を作ろうって事です。
今、中国はヨーロッパまで、中東やインドをぶち抜いてつなげる経済圏を作ろう、と言っているんです。因みにアメリカはそこにいません。
そう言っているわけです。もはや単なる夢物語じゃないです。アメリカとしては、これはまずい!と。
地球の覇権を争う戦い、それが「米中貿易戦争」
こうすると見えてくるのは、今の米中の対立というのは、単なる貿易摩擦や経済上の揉め事ではないという事です。大袈裟ですが、地球の覇権を争う戦いです。
次世代の地球のナンバー1はどっちがなるか?という戦いになっています。しかも5Gがその決着をつける、と両者とも思っているます。5Gの時代にテクノロジーを牛耳ったもの新しい世界の覇者になる、それは果たして中国なのか?アメリカなのか?これほどまでに大きな話だからこそ、アメリカも手段を選んでいられないわけです。
周りからなんと言われようが、「関税」「規制」「逮捕」どんな手段でも取りますよ。なんでもやります。
中国は中国でひるまない!
こういう展開になっていくわけですね。
アメリカは今「ねじれ」ている
そしてこの戦いを見ていく上でもう一つ重要な事があります。実はこの二つの国で大きく違う事があります。それは『国家の体制』なんですね。
トランプ政権は結構な剛腕です。なんだかんだでやり手です。経済だって好調です。
しかしそうは言っても、アメリカの政治の仕組みはあくまでも二大政党で、共和党と民主党があります。トランプ大統領というのは「共和党」のトップなんですね。
アメリカには「中間選挙」というのがあります。
少し説明をしますと、アメリカの大統領の任期は4年で最大2回できます。だから最大8年間就任できるわけですが、その各4年の中の2年間の段階で“下院”(日本でいう衆議院)が入れ替わる選挙が行われます。その前回の中間選挙で下院の過半数を野党に取られてしまい、現在いわゆる“ねじれ状態”になっています。
で、ねじれるとどう具合が悪いかというと、予算が通りにくくなります。
仮に日本の衆議院・参議院でねじれて予算案が決まらない場合、日本では衆議院が優先されます。予算に関しては決まらないと大変なので、少しだけ衆議院が優先されるんですね。
でもアメリカはフラットなんです。予算をいくら通そうと思っても、ダメなものはダメなんですよ。この点が現在のアメリカのねじれ議会で揉めそうなところ。まずこれが一点目の不利な条件。
トランプの爆弾:3つのスキャンダル
そしてもう一つがトランプ大統領の「スキャンダル問題」
トランプ大統領って実は当選した時から色々な疑惑がありました。
なんか「ロシアとつながってたんじゃないか?」っていう『ロシアゲート疑惑』とか
「女性関係のスキャンダルの口止め料を政治資金から流用したんじゃないか?」っていう『不倫&政治資金流用問題』とか
そしてさらに、『脱税疑惑』
この3つ
【トランプのスキャンダル問題】
①ロシアゲート ②不倫 ③脱税
この3つのスキャンダルに対して下院の野党が長いこと「調査委員会を作るべきだ!」と主張してたんですが、下院の過半数をこの共和党が取っていたもんなんで、『調査委員会』を作らせないようにいろいろやってたわけですね。
でも、過半数取られた事で調査委員会が作られるかもしれない。しかも、タイミング悪くそんな時にこのトランプ大統領の顧問弁護士が捕まったらしく、ここからトランプ大統領を売っていくんじゃないかっていう話がなされたんですね。
もしその弁護士が全部喋ったら、これらのスキャンダルが爆発するかもしれない、そうも言われているんです。
こうして見るとトランプ大統領の足元は随分とぐらついています。
2020年、世界が見守る大統領選挙の行末
そんな中で2020年に大統領選挙を迎えます。先行きが危うかったりもしますが、まだまだどうなるかわかりません。
というのも、アメリカの大統領というのは余程“特別な事”がない限り、ほぼ再選されてきた歴史があります。
『特別な事』
その一つが経済がガタガタな時。
ってなりますので、それが一つ。
そしてもう一つが大スキャンダルがあった時。
こうした余程の理由以外は、基本的には再選される確率の方が高いらしいです。
では、一つ目の経済の面ではどうかというと、トランプ大統領就任以降、株価が好調ですよね。
2018年末から2019年を通して株価は結構乱高下して、「リセッション突入か?」みたいにヒヤヒヤした局面もありましたが、総じていい感じです。なのでまぁ大丈夫。
問題はもう一つのスキャンダルの方ですね。
この“ねじれ”からの予算問題でウニウニした上で手持ちのスキャンダル問題が大爆発したら結構やばいです。
あれれって感じですよね。世界最強国のアメリカも足元では結構いろんな懸念を抱えてしまっています。
こう言った様々な問題を背負いながら、今中国と戦わなきゃいけない局面を迎えてしまっています。
第2章のまとめ
アメリカを代表するGAFAに対抗するハイテク企業軍団BATHの誕生、そしてそれにより14億人という巨大な経済マーケットをほぼ独占状態にしている現在の中国。覇権を取るための明確な国家戦略も打ち出しました。
一方で若干の足元にぐらつきを見せるアメリカ。そんな様子を説明しました。
次の最終章では、現在の中国の国力を裏付けるがごとき凄まじい国家体制や、それをさらに完璧なものにするために張り巡らされた仕組みの数々、それに対してぐらつきを見せるのは何もトランプ大統領だけでなくアメリカという国もそうであることを解説していきたいと思います。
それでは。