現代史

【日韓関係】これを読めばわかる 第1章|諸問題・日韓教育格差

2030年に運用資産額5億円到達を目標にしている”あきひろ”です。

株式投資をするにあたり、日々経済ニュースを見ることが日課になりましたが

あれ?これってどういう事?
なんでこんな事になってるの?

そもそもニュースの内容がよく理解できない、って事がよくありました。
歴史や過去の様々な事件、そういう事が現代史に脈々と影響し、今の経済活動の礎となっている事が理解できると、そういった教養を身に付ける事が回り回って株式投資にも大いに役に立ってきます。
お金を増やす事で豊かな人生の一助とする方針はもちろん変わりませんが、例え直接株式投資に関係は無くても、ただ純粋に、教養を身に付ける事というのは物事の深い理解を助けて、人生そのものを味わい深くして豊かな人生を送るものに成り得ます。

今回は日韓関係』について記事にしていきたいと思います。今ちょうどタイミング的にもホットになっていますし、緊張関係が続き、日本人も韓国人も双方関心を持っている内容だと思います。

私自身も仕事の中で韓国を担当している事もあって、とても興味があるところですが、なんせこの話題は結構繊細なので、割とこういう形で発信するのを躊躇ってしまいますが、やっぱり現地にいけばいろんな人との話題が出てきますし、そもそも知らないと自分の意見すらも持つ事ができないと思いますので、やっぱりここは深く学びたいと思いました。

何よりまずは、事実を知ってその上で色々と個人的にも意見が持てれば良いなと思います。

この日韓関係はなかなかに根深い歴史の深淵がありますので、内容毎に4つの記事に分けています。

この第1章では、まず現状の日韓関係を取り巻く諸問題を整理したいと思います。

 

直近の日韓のトピックスを棚卸し

『GSOMIAの破棄』とは

GSOMIAというのは『軍事情報包括保護協定』

「軍事的な情報を日本と韓国の間で交換しましょう」という協定でこれは1年更新です。

いつからあるからというと、北朝鮮がミサイルを打ち始めた時期があって、この事について日本がまだ知らなかったけど、韓国は先に察知していた。

そういう風に、地理的にも韓国の方が知りやすいので、ヤバいことがあったら教えてください、という事で日本と韓国とアメリカで連携して、平和・秩序を維持しましょうという協定です。

これを破棄する、というのはどういう事だ!?
もう日本は韓国と協力して平和を守ろうという事はもうしないの?
なんで韓国はこんな事言うんだろう?

そんな風になってしまうんですが、この裏には色々な事情が絡んでいます。

実はここ数年の話じゃなくて、もう何十年も前の歴史が絡んでここに至っています。

韓国への『輸出規制』そして『ホワイト国からの除外』

この『GSOMIAの破棄』に至るまで、日本製品の「不買運動」なんかもあって反日感情が加熱してました。

これには日本が韓国を貿易上の「ホワイト国」から除外した、というのが絡んでいるんです。

『ホワイト国』とは何か。
それは貿易(日本から輸出)に対して優遇する国のことです。

何を優遇するかというと、輸出製品に対して細かい事を一つ一つチェックしないで輸出するという事です。

そこで何のチェックをしないかというと、日本は様々な製品(完成品から材料まで)を海外へ輸出していますが、その中には使い方・活用の仕方次第で武器になってしまうものがあります。
そういう『やや危険なモノ』も信用してチェック無しで売りますよ、というのがホワイト国です。

しかし、韓国がシリアやイランに不正に輸出していたんじゃないか?っていう疑惑がかかりホワイト国から除外しました。

ではなぜシリアやイランに不正輸出してはいけないのかというと、そこは北朝鮮とも友好的な関係にあるので、回り回って北朝鮮に武器が流れてしまうような事があったら国防上よくないので治安維持・安全保障上の問題で、日本は韓国をホワイト国の除外を決定しました。

この当時勘違いされがちだったのは、あくまでも「規制を厳しくした」だけで、輸出禁止にしたわけではありません。

ちなみにこの時輸出規制をかけた日本からの輸出品というのは

『フッ化水素』『フッ化ポリイミド』『レジスト』

の3品目です。

『フッ化水素』は半導体洗浄に使用され、『フッ化ポリイミド』は有機ELパネルに使われ、『レジスト』は半導体基板に塗布する感光剤として使用されており、いずれもハイテク産業を主産業とする韓国にとっては生命線となる材料ばかりで、その供給の大半を日本からの輸入に頼っていたために、この輸出規制は大打撃です。

フッ化水素 半導体洗浄用途
フッ化ポリイミド 有機ELパネルの素材
レジスト 半導体基板に塗布する感光剤

これを受けてSAMSUNG、LG、SKハイニックスなどは半導体大手の株価が大幅下落しました。

韓国側としては「そんなものはただの疑惑だ」という事で反感を買い、日本製品の不買運動があり、その反感もあってGSOMIAの破棄に繋がってきている。

と、表面的にはそういう感じですが、さらに根深いものがあります。

【2018年】徴用工訴訟問題

『GSOMIA破棄』『ホワイト国除外』のこれら2つの問題よりも以前から日韓は揉めていました。

2018年の10月に『徴用工訴訟問題』というのがありました。

「徴用工」というのは戦時中に韓国の人たちを日本の企業が強制的に働かせていたり、威嚇や暴力を使って無理やり労働させていた人たちのことであり、これはそれに対する人権問題です。

これに対して日本側としては「解決済み」としている一方で、韓国側の最高裁に当たる大法院が日本の企業に対して「徴用工個人に賠償しなさい」という判決を出しました。

大法院
大法院
日本企業は徴用工個人に対して賠償しなさい!

国家間での取り決めとは別に最高裁が企業に賠償するよう命じた事で、2018年後半から2019年の間、日本と韓国の間は揉めていました。

 

日韓の情報格差(日本人の無知?)

日本側の現代史に関する圧倒的な情報不足

私も韓国の事を詳しく知ろうと思い始めたのは、仕事上の絡みが出てきた2019年からで、それまではあまり詳しく知りませんでした。

徴用工問題が連日報じられている時も、その内容に対してあまりピンと来ていなかったのが正直なところです。

これはこれで無知を反省すべき部分ではあるのですが、勉強してみたところ、それもそのはずで、元々日本の歴史の中での韓国との関係に関する情報って非常に少ないんですね。要するに教育が全然なされていません。

後ほどまた説明しますが、韓国って戦後できた国です。
そして戦後の歴史って学校では『現代史』になりますけど、現代史って受けた記憶薄いです。

歴史の授業の中でも、ほぼ最後の方なんで、そもそも時間があまりないっていうのもあるので、それで「残りは教科書読んどいてくださいね」的な感じになってるな、って当時は思っていました。

それも一つの理由だと思うんですけど、韓国(というか当時の朝鮮)との関係って結構ナイーブな内容なんで、正直あんまり触れたくない、あえてぼやかしておく、そんなところが実際にはあるみたいですね。

日本人が知るべき戦時中の『加害』の歴史

戦争には加害者としての側面と被害者としての側面があります。同じように敗戦国として“ドイツ”を例に挙げると、ヨーロッパは他国と陸続きで接してますから、加害者としての歴史も結構見える範囲にあるわけですよね。

ユダヤ人大虐殺のアウシュヴィッツ収容所も隣国のポーランドの中にありますので、加害者としての過ちが見えるところにあります。国民も自ずと目を背ける事もなく、しっかりと加害者としての歴史も引き継いでいくことになります。

 

一方日本はどうかというと、そうではないですね。原爆ドームを始めとする被害者の歴史は国内にありますが、加害者としての歴史は全て海を隔てた国外にあります。

韓国や中国や東南アジアにたくさん加害の歴史があるはずですが、物理的に我々日本国民が直接目にできる機会が極端に少ないので、日本が戦争において加害者であった側面を理解するのを難しくさせています。

これについてはとても身に覚えがある事があるのですが、10年以上前の事、私は当時親族の結婚式に参列するためにハワイに行きました。
旅程の前半だけが式の予定でしたので、後半は観光しましたが、その時、『戦艦ミズーリ記念館』というところに行きました。

ここでは実際に太平洋戦争で使用されてた戦艦ミズーリがそのままの形で一般公開されているのが見所ですが、中は記念館として戦争の記録を見て回る事ができます。

ここでの戦争の被害の記録のほとんどは、太平洋戦争の火蓋となった、当時の日本海軍が米軍に仕掛けた真珠湾攻撃に関しての事でしたが、それがアメリカ側の視点で記録されていたのが印象的でした。

つまりここでは、日本が加害者側の立場での記述になっており、当時の残虐非道な奇襲攻撃の有り様、罪もない人々の命を無数に奪った事実がリアルに残っており、当時とても衝撃を受けました。
しかもここに来なければ知り得なかった内容です。少なくとも学校などでは一切伝えていない内容です。

『ハワイで真珠湾攻撃を行った』

私が歴史で学んだのは、まぁ言ってみたらこれだけの事で、学校の先生からの発信も事実のみです。そして大半の学生はテストという目的だけのためにただ無機質に暗記しているだけですが、その内実たるや、そんな事で済まされるような事ではとてもありません。

少し話がそれましたが、被害の歴史は、修学旅行で広島や長崎に行く事で、割としっかりとした教育がなされていますが、加害の歴史はそういう意味で本当に知る機会が本当に少ないです。

それはこの日韓関係でも同じで、これは日本人として意図的に知り、考える機会を作る必要があると思いますね。

そんな風に、どんな国でも多かれ少なかれ、必ず被害の側面と加害の側面が存在しますが、韓国は必ずそこに関して授業をするんですね。

なんでかっていうと、韓国というのは1945年、つまり第二次世界大戦の終わりと共に誕生した国です
国の始まりと共に「現代史」が始まるので、当然かなりしっかりとやるわけですね。

一方日本は「縄文」「戦国」「幕末」「明治維新」この辺りをきっちりやって、現代史は最後にサラっとって感じになっています。

だから自然とこの日韓の二国の間では、この部分について圧倒的な情報の格差が生まれるんですね。
韓国の人に色々と言われても、日本人として「ポカン?」って感じになるのは、これはとても恥ずかしい事ですよね。

だからこそ、この日韓の歴史を深く知る事で、今のニュースで報じられていることを少しでも理解を深めていった方がいいと思うんですよね。
私も仕事を共にやる韓国側のパートナーと、より深い理解をして進められた方がやり甲斐も生まれますからね。

 

第1章まとめ

さて、第1章では直近の日韓関係の整理という事で、『GSOMIAの破棄』からそこに至るまでの韓国への輸出規制・ホワイト国からの除外、そして2018年の徴用工訴訟問題を説明しました。

そして、我々日本人と韓国人との間での現代史に対する情報格差がある事も説明しました。

改めて、日韓の歴史で大きく取り沙汰されている問題は主に3つがあることをここで整理しておきます。

①徴用工問題
②慰安婦問題
③竹島問題

『徴用工問題』というのは、先ほど説明しましたが、日本企業が不当に暴力や威嚇や威圧を持って強制的に工場なんかで働かせていた、という人権問題

『慰安婦問題』というのは、日本軍の軍人と性行為を不当にさせられていた朝鮮の女性がいた、という人権問題です。

『竹島問題』というのは、日本は『竹島』と読んでいます。それを韓国は『独島(ドクト)』と読んでいます。双方が自国の領地を主張している土地があるという領土問題。

日韓関係は概ねこの3つの問題が争点になっています。

しかも日本と韓国だけを見ていても問題の本質が見えてきません。

ロシア・アメリカ・北朝鮮・中国・韓国・日本

この6カ国それぞれバラバラの思惑が現在の日韓関係を作り上げています。

 

ここから先はこの部分もさらに詳しく説明していきたいと思います。

次の第2章では現在の諸問題につながる戦前からの日韓の歴史をザッと見ていきたいと思います。

【日韓関係】これを読めばわかる 第2章|日韓歴史ダイジェスト2030年に運用資産額5億円到達を目標にしている”あきひろ”です。 株式投資をするにあたり、日々経済ニュースを見ることが日課になり...

それではまた。