スマートフォン市場の業界展望についてまとめてみました。
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基本情報の整理
アップルiPhoneの発売からおよそ10年余りが経過して、それからというもの、カメラや画面が次々と高精度になっていき、そういった技術革新によって、より高性能なスマートフォンがより安く購入できるようになりました。
そんな過度な成長期も一服した感があり、先進国から順に市場が成熟期に入っていっています。
これからは、『ポストスマホ』時代を見据えて、現在のタッチパネルで操作するスマートフォンから、次の端末に向けた開発競争が始まっています。
近年の業界動向【成熟期により減少傾向】
少し前ですが、2018年の世界出荷台数はその前の年と比較して減少し、2年連続の減少。
普及が一巡して買替え周期も長期化していることに加えて、端末自体の高額化によって消費者の購買意欲が落ちています。
製造メーカー各社は次世代通信規格『5G』の本格普及に期待している様相です。
その他にも波乱要因として、米中ハイテク摩擦があり、2019年5月にファーウェイ社に対して事実上の禁輸措置を講じています。
アップル社はiPhoneを中国で生産しているため、ここへも大きく影響を及ぼしていると言えますね。
各国勢の様相
以下の出荷台数は2018年の実績値を記載
韓国勢
サムスン電子(SAMSUNG)
世界一位のシェアを誇るハイテク国家韓国を代表するサムスン電子。『Galaxy』ブランドを展開し世界首位を維持。
世界:2億9,230万台
国内:251万台
世界:1位
国内:4位
アメリカ勢
アップル(APPLE)
私自身も愛用する『iPhone』で急成長。このところは端末の高額化で販売台数は伸び悩み気味。
世界:2億880万台
国内:1,576万台
世界:2位
国内:1位
中国勢
ファーウェイ・華為技術(HuaWei)
中国や欧州でシェアを高める。米中貿易摩擦で部品の調達不安がくすぶる。
世界:2億600万台
世界:3位
シャオミ・小米(XiaoMi)
低価格ながら高いデザイン性と高機能で人気。
世界:1億2,260万台
世界:4位
オッポ・欧珀(OPPO)
カメラ機能が好評。18年の2月に日本市場に参入。
世界:1億1,310万台
世界:5位
日本勢
シャープ[6753]
自社の有機ELパネルを採用した機種を投入している。
国内:462.7万台
国内:2位
ソニー(SONY)[6758]
縦長NO画MENNWO再要した新機種で巻き返しを図っている。
国内:325.4万台
国内:3位
京セラ(KYOCERA)[6971]
防水・防塵機能を強化した高耐久モデルが特徴。
国内:233.4万台
国内:5位
【主要構成部品】スマートフォン
タッチパネル
液晶パネル
バックライト
多層基盤
その他の部品
【タッチパネル】構成部品・主要メーカー
カバーガラス
(米国)コーニング[GLW]
AGC[5201]
日本電気硝子[5214]
セントラル硝子[4044]
日本板硝子[5202]
粘着フィルム
スリーエムジャパン
リンテック[7966]
日立化成[4217]
日東電工[6988]
導電膜付きフィルム
日東電工[6988]
尾池工業
積水ナノテクノロジー
JSR[4185]
ハードコートフィルム
きもと[7908]
東山フィルム[4244]
ベースフィルム
東レ[3402]
帝人フィルムソリューション
導電膜
ジオマテック[6907]
組み立て
SMK[6798]
NISSHA[7915]
(台湾)TPK
(中国)業成
(中国)欧菲科技
【液晶パネル】構成部品・主要メーカー
偏光板
日東電工[6988]
住友化学[4005]
(韓) LG化学
反射防止フィルム
富士フィルム[4901]
コニカミノルタ[4902]
PVAフィルム
クラレ[3405]
三菱ケミカル[4188]
位相差フィルム
富士フィルム[4901]
日本ゼオン[4205]
コニカミノルタ[4902]
ガラス基板
(米)コーニング[GLW]
AGC[5201]
日本電気硝子[5214]
カラーフィルター
凸版印刷[7911]
大日本印刷[7912]
東レ[3402]
カラーレジスト
JSR[4185]
(韓)LG化学
三菱ケミカル[4188]
配向膜
JSR[4185]
日産化学[4021]
JNC
液晶
JNC
(独)メルク
DIC[4631]
ACF (各フィルムの端子を接着するフィルム)
テクセリアルズ[4980]
日立化成[4217]
液晶パネルの製造
ジャパンディスプレイ[6740]
シャープ[6753]
(韓国)サムスン電子
(台湾)群創光電
(台湾)友達光電
(韓国) LGディスプレイ
(中国)京東方科技集団
(中国)天馬微電子
【バックライト】構成部品・主要メーカー
ベースフィルム
東レ[3402]
プリズムシート・拡散シート
きもと[7908]
ツジデン
恵和[4251]
LED
日亜化学工業
封止材
信越化学工業[4063]
オムロン[6645]
デュポン・東レ・スペシャルティ・マテリアル
蛍光体
三菱ケミカル[4188]
デンカ[4061]
反射材
クラレ[3405]
導光板
住友化学[4005]
三菱ケミカル[4188]
反射フィルム
スリーエムジャパン
組み立て
ミネベアミツミ[6479]
【多層基板】構成部品・主要メーカー
プロセッサー
(米)クアルコム[QCOM]
(韓)サムスン電子
コア
(英)ARM
フラッシュメモリー
(韓)サムスン電子
キオクシア
(米)ウエスタンデジタル[WDC]
SAWフィルター
村田製作所[6981]
太陽誘電[6976]
セラミックコンデンサー
村田製作所[6981]
TDK[6762]
太陽誘電[6976]
(韓)サムスン電子
水晶振動子
リバーエレテック
村田製作所[6981]
大真空[6962]
京セラ[6971]
日本電波工業[6779]
コイル
TDK[6762]
村田製作所[6981]
DRAM
(韓)サムスン電子
(米)マイクロンテクノロジー[MU]
(韓)SKハイニックス
GPSチップ
(米)ブロードコム[AVGO]
無線LANモジュール
(スイス)STマイクロエレクトロニクス
村田製作所[6981]
ジャイロセンサー
(スイス)STマイクロエレクトロニクス
電子コンパス
旭化成[3407]
愛知製鋼[5482]
電磁波シールドフィルム
タツタ電線[5809]
カメラ
CMOSセンサー
ソニー[6758]
(韓)サムスン電子
オムニビジョン・テクノロジーズ
レンズ
日本ゼオン[4205]
(台)大立光電
カンタツ
アクチュエーター
TDK[6762]
アルプスアルパイン[6770]
基板
メイコー[6787]
イビデン[4062]
日本シイエムケイ[6958]
タムラ製作所[6768]
パナソニック[6752]
村田製作所[6981]
【その他の部材】構成部品・主要メーカー
本体ケース
(台)鴻海科技集団
(台)可成科技
マイクロSDカード
キオクシア
(台)トランセンド
(米)ウエスタンデジタル[WDC]
コネクター
SMK[6798]
ヒロセ電機[6806]
ホシデン[6804]
鈴木[6785]
日本航空電子工業[6807]
パナソニック[6752]
リチウムイオン電池
村田製作所[6981]
TDK[6762]
(韓)LG化学
(韓)サムスンSDI
負極材
日立化成[4217]
(中)貝特瑞新能源材料
JFEケミカル
セパレーター
旭化成[3407]
東レ[3402]
正極材
日亜化学工業
(ベルギー)ユミコア
電解液
宇部興産[4208]
三菱ケミカル[4188]
(韓)パナックス
小型スイッチ
アルプスアルパイン[6770]
ミネベアミツミ[6479]
バイブレーター
日本電産[6594]
今後のスマートフォン市場の行方
今後の行方ですが、冒頭にも示したように、大きくは以下の点でしょうかね。
中国ファーウェイ社が躍進していく中でも、米中ハイテク戦争の影響がどう絡んでくるか。
『5G』本格普及を前に市場そのものは停滞気味になる。
それではまた。